植物を育てるのが人生初めてさんとサフラン流お手入れが初めてさんからの質問を紹介します。
サフランに新築でお庭づくりをご依頼される方の大半は、初めて植物を育てる方です。そういう店長もサフランで仕事を始めるまでは、全く植物に興味がない初心者でした。生垣を「ナマガキ」と読んで社長に笑われたくらいです。
今は、周りに緑があるのが当たり前の生活をしている中で、自分もかつてはそうだったことを忘れ、初めてさんからいただいた質問内容に、「そうか、これを疑問に思うのか・・・」と気づかされること度々。
そこで、初めてさん向けに参考になるようなページをつくりました。内容は、過去にサフランOB客様よりいただいた質問内容を基にしております。
Q、どれがサフランさんで植えてもらった下草苗か、どれが雑草かわからないのですが・・・
植栽工事が完了したお客様には、樹木類と下草類の名前と育て方、お手入れ方法などの資料をお渡ししております。実は、植えた苗の中には場所によっては自生しているものもあります。また、雑草でも可愛い花をつけるものもあります。なので、特に植えたものと雑草を区別しなくても良いかと思います。気に入ったものは残し、気に入らないものは切る!が良いかと。感じ良く見えるこつは、増えすぎたり、大きくなりすぎたりした場合に量を調整することかと思います。
Q、西洋芝がでかい株になって、どうしたら良いかわからないのですが・・・
西洋芝の種蒔きの際、トールフェスク、ケンタッキーブルーグラス、ペレニアルライグラスの3種類の種を混ぜて蒔いています。そのうちの1種のトールフェスクが剛毛ぽく、株になって大きくなる品種です。トールフェスクは夏の暑さに強いため混ぜています。ただ、成長も早く、どんどんでかくなっていき、地面が乾いた状態になると、根っこからすぽっと抜けてしまいます。基本、西洋芝は丈を短く刈らないでくださいとお伝えしていますが、トールフェスクは、じゃまになるようなら、短く刈っても、丸坊主しても大丈夫です。また、秋の追い撒きには、トールフェスクは混ぜないで蒔いても良いかと思います。
目地からもはみ出てわさわさにはっていくトールフェスク。
Q、ハランの色が薄くなってきてるのですが・・・
生え変わる時に、どんどん白くなっていきます。草類の常緑のものは木と同様に、生え変わります。生え変わる時にどんどん色が抜けて、枯れていきます。ハランは日陰の場所を好む植物なので、日が当たり過ぎる場所にいると葉っぱの色が薄くなる傾向もあります。その場合、上に覆い被さるように何か植えるか、日陰の場所に植え替えることをおすすめします。
写真のハランは手前に新芽は出てきていますね。
おまけです・・・
ハランの下に生えているセキショウ。写真のように、葉っぱの下の方に茶色の枯れ葉が付いています。これはほっとけばそのうち勝手に取れます。ですが、見た目がいやだったら取っても構いません。注意した方が良いのは、セキショウは新芽は古い葉っぱの内側に出てきます。この写真のもっと手前の段階で切るときは、新芽がないか確認してみてください。
Q、春になって、ハイノキの葉っぱが茶色になってきているのですが・・・
枝の先端に出てきた茶色葉っぱは新芽です。どんどん緑色に変わっていきます。ハイノキ以外の植物でも、新芽は白っぽかったり、黄色だったりします。
Q、お花が咲いたあとのしおれた花はどうしたら良いですか?
しぼんでしまった花を取ることを「花がら摘み」と言います。取らずにほっとけば植物によっては、実や種になって、増やすこともできます。見た目がいやだったら、取っても良いと思います。
Q、風が強い日は木がゆさゆさ揺れて、折れてしまうのではないかと心配なのですが・・・
サフランで植える木は、最初はひょろひょろな雑木です。ですが、木が元気であれば風が吹いても折れることはありません。逆に、枯れている場合は水を吸えてないのでカラカラ状態でポキッと折れてしまいます。また、揺れることは悪いことではありません。揺れることにより、根っこは倒れないように踏ん張れるよう伸ばします。がちがちに支柱をしてしまうと、支柱に頼って根っこが発達しないこともあり、支柱が必要な場合は、緩めの支柱をさせていただいております。2・3年経つと、根っこは育ち安定して、幹は太くなり揺れて倒れる心配はなくなります。
最初はひょろひょろで頼りなさげな雑木の木々。植えてから2・3年は環境になれるため頑張ります。
植物は私たちが思うより強かです。ですが、私たちの都合でここに連れてきたことを忘れてはいけません。一旦枯れても、また地上に芽を出して復活する場合もあります。なので、せっかくご縁のあった植物は、見捨てず長い目でお付き合いしていただければうれしいです。出来の悪い子ほど可愛いという言葉もありますから。
Q、冬になって下草がみんな枯れてしまったのですが、大丈夫でしょうか??
サフランでは、山の景色を一部切り取って庭に再現したような庭づくりを目指しています。そのため、雑木の根元に植える下草類も、山野草をなるべく育てやすいものを選んで植えたり、園芸種でも景色に馴染みやすいものを選ばせていただいております。また毎年の植え替え作業をする必要がないように、一度植えると根っこさえ生きていれば、冬に地上部が枯れても、春になるとまた新芽を出し、どんどん株がでかくなっていく宿根草。と、冬に地上部は残る常緑な多年草を主に使っています。なので、宿根草だと、冬は枯れて茶色になりほっとくと抜けてしまい、地上部は残る多年草でも、一部は枯れこんだり、しおれた感じにしょぼしょぼになるものもいます。なので冬の景色はちょっとさみしい雰囲気、はっきり言えば、しょぼい感じになります。山に行ってちょっと眺めると、同じような景色が広がっているかと思います。ご心配なく大丈夫です!
植物を家の建物外観を彩るアイテムとしてとらえると冬の状態は残念極まりないかと思います。しかし、それが自然な植物の姿だと思うと、春に芽吹いた時の喜びもひとしおかと思います。冬は植物と一緒に、お手入れする人間も休眠期とし、寒くて人の目も外より内に向いてる時期ですから、一休みしても良いのではないかとも思います。
サフランのモリニワの冬の様子です。
ヤマアジサイは幹だけが残ってます。フイリイワミツバも葉っぱの数が少なくなっています。
写真ではわかりづらいですが、枯れて茶色になってるワイルドオーツ。根っこの方に新芽が出てきていれば、そこを切らないように、枯れた枝は丸坊主に切っておくと、新芽が伸びてきた時にすっきり見えます。葉っぱが枯れて枝だけになっているバイカウツギ。良く見ると、枝にまだ固い新芽が付いています。
べた−−−っと地面に這ってるフイリヤブラン。常緑でありがたいのですが、冬のこの姿は嫌いな方いらっしゃいます。ワイルドオーツ同様、根っこのほうに新芽が出てきてるのを触らず、古い葉っぱを丸坊主にしておくと、新芽が伸びた時きれいにみえます。あと、サフランでも植えているイトススキも新芽が伸びる前に、古い葉っぱを丸坊主に刈っておくと、あとで古い葉っぱを間引く作業が要らなくなり、葉っぱで手を切ることもなく、楽です。
Q、ブルーべりーが枯れてしまいました・・・
ブルーベリーが枯れた・・・とよくお聞きします。葉っぱの先から茶色になって枯れる原因は水切れです。ブルーベリーは、水食いで普通の水やりの2〜3倍あげると良いそうです。同じく水食いの芝生と一緒に植えても、たっぷり水をあげると大丈夫です。
実が熟すの待ってると、先に鳥に食べられてしまうブルーベリーの実。
Q、草目地がうまく育てられないのですが・・・
サフランでも人気のある施工のひとつ、車を駐車してない時はテラスのような庭として使える駐車場兼庭。古窯レンガ敷きや神奈川県産根府川石敷き、石畳風に箱抜きした土間コンクリートの周りを草目地にしたナチュラルな雰囲気の駐車場。
草目地の草の種類は主に、西洋芝、ダイカンドラ、ヒメイワダレソウを使っています。西洋芝とダイカンドラは種蒔きで、ヒメイワダレソウはポット苗から育てていますが、これはお客様自身で施工できるので、ご家族でワイワイいいながらやってもらうことが多いです。
しかし、最初は良いのですが、中々継続して緑を保つのが難しい・・・という声をお聞きします。OB客様には、芝管理の資料を完工時にお渡ししているので見ていただくと良いのですが、ボサボサ管理の中で、緑を維持するポイントは、お水やり。西洋芝に関しては追い撒きかと思います。
樹木は基本4年目以降は水やり無し!で良いのですが、草目地は、乾燥していたら水撒き。軒や樹木が生い茂っていて、雨が当たりにくいところは多めに水撒き。夏は毎日水撒き。夏はできれば朝の涼しいうちか、もしくは夕方に。特に西洋芝!昨今の夏の気温では枯れます。太陽光で熱された石と石の間で、熱くなり枯れます。でも、気温が下がって涼しく過ごしやすくなってくると復活して、また芽が出てきたりもします。ですが、10月くらいの種の追い撒きは必須です。ほぼ一年草扱いで、追い撒きしてリセット!くらいで。もちろん、雑草も味方につけてください。踏んだり切ったりは、新芽が出てくる時期にすると、成長を抑えるには効果的だそうです。
こんな風に言っても、サフランでも草目地は枯らすことは多々あります。いくらでもやり直せるので、その環境に合った方法、合った種類を探りながら、楽しく育てましょう。
車のタイヤがよく通る部分は草が生えてきません。そのままでも土は、タイヤの圧で踏み固められて流れることはないです。
Q、植栽工事後にしばらく経ってから、葉っぱが茶色く枯れてきた。
樹木は植えて1年目は、お引っ越ししてきた子のように、環境に慣れるまで色々あります。と言うと、何があるの???どうしたらいいの??とドキドキしますが、基本見守ってあげてください。
サフランで植える樹木苗は、山採り雑木と言って、山の中で杉やヒノキの陰になって、太陽光を求めて枝葉を伸ばしてやっと生きているような広葉樹が主です。また植木卸屋さんまで来ると、自動散水で、定期的にお水をたっぷりもらって大事にされて出番を待ってる環境です。
そんな木達が、普通の住宅街の中のお庭での生活に慣れるまでは、しばらく時間が掛かります。お水も今までのようにじゃぶじゃぶもらえない時は、自分で葉っぱを減らし、蒸散する量を減らして調整します。根っこがデカすぎて植えられなくて根っこを削った時に、削った根っこから水や養分を吸っていた枝葉だけ枯れることもあります。あと、主に夏に葉焼けと言って、夏の暑さに耐えられなくて、葉っぱを全部落とすこともあります。弱っていると害虫に襲われることもあります。
ですが、新芽が出てきていれば多分大丈夫です。枝を折った時に、粘りがあれば大丈夫です。環境に慣れると年々元気に丈夫になっていきます。お水やりだけきちんとやって様子見してください。ホームセンターにも売ってるメネデール(水分や養分の吸収を高め、光合成が活発になる働きをします)をあげると良いです。サフランも樹木の様子見に回り、土壌菌活性剤などをあげたりします。もし、これはもうダメだ!死んじゃったね。と判断した場合、枯れ保証期間中であれば植え替え交換させていただきます。
完工から4年経った庭の様子を紹介したページです→
植栽工事が完工して、うれしい〜と思ってる矢先に枯れてきたら、びっくりしますよね。
Q、木にアブラムシが沢山ついているんですけど、どうしたらよいですか?
庭に植物があると、虫問題は避けて通れないことです。弊社社長も虫が苦手でして、それでも緑の心地良さが勝っているようで、怯えながら共存しています(笑)
「アブラムシが大量発生したんですが、どうしたら良いですか・・・」とOB客様よりご連絡いただくこともしばしば。アブラムシの対処法としては、基本ほっといても害がないと思われます。アブラムシにも天敵がいて、そのうちいなくなっていきます。庭がモリニワ化しているお宅は、アブラムシぐらいで気にしていたらいられないくらいの緑の量なので、比較的に大らかに受け入れられてる感じがします。
「Garden Story」というガーデン情報サイトでもアブラムシについての記事が掲載されています。どうぞ参考にしてみてください。
サイトはこちらへ→
Q、木にアリが沢山ついているんですけど、大丈夫ですか?
サフランのモリニワのコナラやモミジにも、沢山のアリが登ったり下りたりしています。ときには、木に巣を作ったりもしています。ですが、基本放置しています。アリは木に対しては悪さはしないので、成育に問題はないです。アリが木に登る目的は、木に付いているアブラムシがお尻から出す甘い汁を食べるためです。ちなみにアリは、アブラムシの天敵であるテントウムシを追い払うことで、アリとアブラムシは異なる生物種が同所的に生活することで、互いに利益を得ることができる共生関係、相利共生の関係です。