何故下請けが多くなったのか? ハウスメーカーと外構業者の関係②
実は以前は、約10~20年前ごろまでは、外構工事の下請け施工は、今ほど多くなかったようです。
どちらかというと紹介、つまり「外構業者はハウスメーカーの営業や監督が紹介」してもらい、お客様と外構業者が直接打合せして施工してもらうというパターンが一番多かったのです。
それがなぜ下請けが多くなってきたのか。それは、ハウスメーカーの売上減少、という事情があります。
以前は、特にバブル期ごろまでは、ハウスメーカーにとって外構工事は、言葉が悪いですが「手が掛かって面倒で儲からず、売上も上がらない工事」 だったのです。住宅さえ建てていれば、十分に売上が確保でき利益も出ていたのですから、さらに打合せをして思った以上に手が掛かり下手に手を出すとクレームの原因になる外構工事にわざわざ自分の方から手を上げて請け負うハウスメーカーはほとんどありませんでした。
そこで生まれたのが「お客様に外構業者を紹介し、バックマージンを取る」という手法です。これならば、面倒な打合せや施工責任は業者に一任できある程度の利益を確保できる、というハウスメーカーにとっては非常に都合のいいシステムができたのです。
ところが近年は、新築着工件数の減少により売上がどんどん下がっており、どんな工事でも請ける、という姿勢にハウスメーカーが変わってきました。一番わかりやすいのが「リフォーム」です。以前は大手ハウスメーカーで、リフォーム事業に心血を注いでいるところは皆無だったと言っても過言ではありません。今では皆さんもご存知の通り、リフォームを事業の一つの柱にするというのは当り前の話になっています。そういった流れの一環として、今までは全く眼中になかった外構工事をも、売上に取り込もうという動きが出てきて、「紹介ではなく下請け」という工事が増加しているのです。