ひのきフェンスと自然石敷きの地産地消アプローチ 神奈川県相模原市Y様邸
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雑誌「チルチンびと」の地域主義工務店の会に所属する、ウィズハウスプランニングさんでご自宅を建築された神奈川県相模原市Y様邸。「自然素材をふんだんに使った家なのに、コンクリートやアルミだけの外構では・・・」という思いがあり、なかなか外構工事に手を付けることができなかったそうです。弊社のホームページをご覧いただき、ご来店。展示場の自然素材を使った小さなスペースを気に入って頂いたようでプランニングのご依頼を頂きました。ご神木とも言うべき松を中心に、地元産の素材で構成してファーストプランを提出。ほぼ最初のプランのまま、ご決定いただきました。
この特徴的な松は、一度、伐採されそうになったそうですが、施主様が「絶対残したい」と依頼して残ることになりました。ほかにも大きなヤマモミジ、ツバキなど以前からある樹木が存在感を放っています。今回は車庫、アプローチ、道路際のフェンスを施工させて頂くことになり、この樹木たちの邪魔をしない、なじむ佇まいを目指しました。
ウッドフェンスは、地元神奈川県内産のヒノキを使用しました。桧には「ウッドロングエコ」という木材保護剤を塗布しています。北欧・カナダなどで60年以上の実績があり、当地では一度塗りで30数年以上、美しい姿で健在の木製看板などもあるそうです。日本では2000年からの販売のため、まだ15年弱の実績ですが、少しづつ使用例も増えてきています。Y様邸では、ウィズハウスプランニングさんが施工したウッドデッキにも、このウッドロングエコを使用しています。ちなみに景色工房サフランのウッドデッキも、檜+ウッドロングエコで施工しております。
神奈川県産の根府川石、そして御影石の古材、国産の栗の木の枕木で構成したアプローチです。根府川石は、神奈川県算出の銘石で、江戸城はこの石を積み上げたものです。敷石にした場合、形が不揃いのため落ち着くまでに多少時間がかかりますが、それもまた一興、と考えて頂ければ…。風合いのある御影石古材も貴重で、時間でしか表現できない味があります。栗材の枕木は、国産材では唯一と言っていいほど、腐食に強く、防腐剤未使用で土に埋め込み可能な木材です。昔は国鉄の枕木としてよく使われていたそうですが、今は木材としての流通量が少なく、こちらも貴重です。目地の間にやがて草が生え、より自然な感じになっていくかと思います。こちらも時が作り出す景色ですね…。
元々ある樹木が存在感たっぷりのため、植栽は控えめにご提案しました。アプローチを彩るニワナナカマド。春には小さな白い花、秋には赤い実をつけて、玄関までの道すがらを楽しませてくれます。
こちらはツリバナ。下向きに小さな花をつけるかわいらしい樹です。秋には枝が垂れ下がるほどの大きめの実をつけます。玄関から車庫までの道の脇に植えさせていただきました。