巷でよく見るびよーんと伸びた枝(徒長枝)の木を自然樹形に。
写真の木のように、「適当に切ったら、こんなんになっちゃいました!!」な樹形をよく見ます。さらにここから適当に切っていくうちに、どうしたらよいかわからなくなり、どつぼにハマっていくのが剪定あるあるであります。お手上げになったこの木を、自然樹形に戻すことをやっています。ただし、年月が掛かり、ちょっと我慢が必要になります。
この木は、店長の親友Kちゃん経営の美容室に植えられている「トキワマンサク」という木です。よく生垣に使われている樹種です。この木を例にして、どのように自然樹形に戻していったかご紹介いたします。
初剪定は、2018年11月。
びょーんと出た枝、正式名称は「徒長枝(とちょうし)」と言います。一般的な剪定は、水色の線の位置で切り、飛び出た部分を取り除き、樹高低くし丸く仕上げます。ですが、この切り方だと、木は「切られた〜!!」と生命の危機を感じ、また、びょーんと枝を出します。前よりも多く出す場合もあります。自然樹形にする剪定は、赤矢印のワサワサした部分を取り除き、こんな樹形にしたい将来の姿を想像して、びょーん枝を選んで残し、不要な枝を剪定します。ポイントは、残した枝は低くしないで、樹高はそのままです。
2018年11月剪定後。
自然樹形にする剪定方法で切ったトキワマンサクです。これで、今回は剪定作業完了です。普通、幹から枝先に向かって太さは徐々に細くなっていくものですが、この木は幹の太いところから、いきなり細い枝が伸びて不自然な形です。ちょっと残念な姿でしばらく我慢してもらいます。この状態をサフランでは「我慢枝(がまんえだ)」と言います。案の定、この姿を見たKちゃん父に切られそうになりまして、Kちゃん「切っちゃダメって言われてる!!」と、阻止したそうです。
2019年8月 初剪定から1年後。
びょーん枝から、枝になってきました。びょ―ん枝は、また出てくるので、不要なものは切っていきます。写真の角度から、幹から枝の太さがどんな感じかわかりませんが、まだ不自然な太さだったと思います。
2020年8月 2年後 剪定前。
2020年8月 2年後 剪定後。
2022年8月 剪定前
自然樹形になってきました。これくらいの樹高を維持管理していくと、トキワマンサクも自然に生きられるようで、びょ―ん枝も出てこなくなります。剪定も楽になります。
2022年8月 剪定後
あまり樹形が変わってないように見えますが、枝数を減らしてすっきりさせてます。高さも抑えてて、上の写真の赤矢印の枝を切ってるのがわかりますか?
おまけ・・・2022年5月 新緑の時期。
花が咲く頃は美容院のアプローチを、華やかに彩ります。来られるお客様も、トキワマンサクの花を楽しみにされてると聞きました。
このトキワマンサクは、4年で自然樹形に戻りました。樹木は本当だと、剪定しないでほっとけば自然樹形にもどっていきます。しかし、住宅街の中にあっては、許容出来る大きさが限られてきます(人間の都合ですけど)その大きさの中で、樹木が負担なく成育できるようにするには、剪定の仕方が大事になってきます。
さらにおまけです・・・2023年4月。
Kちゃんが、「みんなに、キレイやね〜って言われる」と、今満開の写真を送ってくれました。ありがとう!!
↑↑↑ 庭に「木陰」をデザインする・・・これからの時代の庭に必要な考え方
サフランのつくる庭はこんな庭です。どうぞ写真をクリックしてください。